骨を再生する治療
インプラント技術の進歩により、難症例も対応できるようになりました。例えば上顎奥歯の部位で骨の高さが足りない場合は、増骨技術によりインプラントが可能になります。これも、以前は御自分の顎骨や腸骨を採取したりしていましたが、現在は人工の骨補填材と御自分の採血した血液から分離させた血小板を多く含んだ血漿(PRP)を混ぜることにより、増骨が可能になりました。
なぜ、PRPが創傷治癒のために用いられるのでしょうか。活性化した血小板は創傷の治癒や骨の造生に関与する成長因子を分泌します。欠損部に血小板を豊富にすることによって治癒期間の促進をはかることができます。
■PRP (Platelets Rich Plasma) とは?
PRP (Platelets Rich Plasma) とは、多血小板血漿(=Platelets Rich Plasma)と呼ばれる、採決した血液の中から濃縮した血小板を取り出した血漿です。
血小板中の増殖因子(PDGF,TGF-β,IGF,BMPなど)は骨の再生する初期において線維芽細胞の遊走(活発に動くこと)および血管新生(血管から新たな血管枝が分岐して血管網を構築する生理的な現象のこと)を促進し、移植骨の骨への置換を促進します。
血小板中の増殖因子を含む粒状の人工骨は、含まない人工骨と比較して約2倍の骨成熟度を示すという実験結果が得られています。
※血液採血をやらないとインプラント治療ができないということではありません。患者様の骨の状態にもよりますので、医院に相談しましょう。
■PRP (Platelets Rich Plasma) の流れ
STEP1
採血を行います。(10~40cc:骨造成量によって変わります。)
STEP2
1分につき、2400回転で7分遠心を行います。すると、血漿と血球に分離されます。
STEP3
スポイトで2回血漿を集めて、さらに1分で3600回転で10分1を遠心します。
STEP4
血漿部分の分離をします。これを上方から3/4まで吸い取り、吸い取った部分がPPPになります。
STEP5
吸い取って残った1/4がPRPになります。