骨を再生する治療
骨が不足している部分に、膜を覆うことで骨を作るスペースを確保し、その中に骨のもとになるものを詰めて、骨の再生を促す治療法です。歯槽骨が不足している部分に、粉砕した自家骨や骨補填材を入れ、その上にメンブレンという人工膜をかぶせることで、骨の再生が促進されます。メンブレンには吸収性のものと非吸収性のものがあり、骨欠損の小さい場合は、吸収性のものを使い、骨欠損の大きい場合は、非吸収性のものを使用します。個人差がありますが、約4~6ヶ月で歯槽骨が再生されインプラントが安定します。
■治療の流れ
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歯槽骨の吸収が著しく、残念にも歯が脱落してしまった部分を、GBR法とインプラントで治療したケースを紹介します。
歯槽骨の吸収が激しく、歯根が露出しています。
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歯が脱落した部分は、歯槽骨の吸収がさらに激しくなリます。
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歯がなくなった部分にインプラントを埋入します。
埋入したインプラント。歯槽骨の吸収が著しいので、インプラントの表面も露出しています。
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骨組織を再生させたい部分に、歯肉などの軟らかい線維性の組織細胞を混入させないために、生体材料でできた専用の膜で骨を作リたい部分を覆います。
GBR法の場含は、GTR法の様に歯根膜の再生は必要あリません。再生させたい対象組織が骨だけなので、インプラントを支柱にして専用膜のテントを張ることができれば、比較的容易に骨の誘導再生が可能です。
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専用膜の設置が完了したら、歯肉を元に戻して骨の再生を待ちます。この期問、術部に必要以上の刺激を与えないようにします。
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個人差や症例によって異なリますが、数ヶ月で図のように骨が再生されます。
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骨が再生され、インプラントが生着すると、人工の歯(上部構造)を製作して装着します。
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歯肉をもとに戻した状態です。必要な骨が再生されることで、歯肉の形態も美しくなリます。